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榎に住みついた狸から
榎に住みついた狸八股榎お袖大明神は、松山城のお堀にある榎に狸が住みついたことから始まります。時は江戸時代、松山城築城の折にお城への入口を分かりやすくするために榎が植えられました。その後、その榎に狸が住むと言い伝えられるようになり、明治になるといつ頃かは定かではありませんが、大榎の根本に小さな祠が建ち、お供えをして祈願を込める人々の姿が多く見られるようになったそうです。

そしていつの頃からか、ここの狸は雌狸のお袖さんと言われるようになりました。
お袖さんは庶民の心のよりどころ
四国の各地には多くの狸伝説があり、庶民の信仰を集めています。狐を祀る稲荷信仰はよく聞きますが、狸を祀るのは四国ならでは風習です。狸伝説が生まれた背景として、四国には野生の狐がいなかった…弘法大師が四国八十八ヶ所の霊場を開基した際に、狡猾な狐を四国から追い出して狸をかわいがった… など諸説があります。

松山城と路面電車お袖さんは明治時代の庶民、とりわけ花柳界の女性達が信仰を深めていきました。お袖さんは、女性達が日常に想ううれしさや悲しさなどをやさしく見守ってきました。狸は『他を抜く(他抜)』という語呂から、商売繁昌の縁起物と言われています。庶民の心のよりどころとなったお袖さん、しかし明治43年頃、大変なことが起きます。この頃、伊予電鉄が拡大し電線架設の邪魔になるから…ということで榎は伐採(!)祠は撤去され、現在は松山市勝山町2丁目にある六角堂に合祀されました。

その後、別の地域の榎の下に再び祠が建てられましたが、こちらの榎も路面電車の拡大に伴い移設することになります。数度の移設に巻き込まれたお袖さん。しかし紆余曲折を経て、昭和20年代に当初の場所である松山城の堀端に生えていた榎の木にお袖さんが戻ってきたとのこと。昭和28年頃には小さな祠が建てられ、昭和30年3月には仮殿、昭和31年8月にはヒノキ造の本殿が建てられて、やっと現在の形となります。
信者の方たちによって大切に祀られています
この八股榎お袖大明神は、信者の方たちによって大切に管理されています。昭和20年代に現在の場所に戻ってきたお袖さんを守っていた初代:世話人のおばあさんは誰もが認める素晴らしい方で、新しい八股榎お袖大明神の礎を築かれました。その後、世話人の交代により一時期、管理が混乱したときがありました。様々なものが祀られたり、面倒をみることができなくなった狸像が持ち込まれるなど、混迷の時期を過ごします。

見かねた信者さんのひとりが、現在の世話人である田中喜子さんでした。元々、初代世話人のおばあさんから管理を頼まれましたが、家業も切り盛りしていたため断っていた喜子さん。しかしあまりの混迷ぶりに立ち上がり、祠の整備と御祭を丁寧に行い、現在の姿に生まれ変わりました。

毎月8日に行われる月並祭には、八股榎お袖大明神が一時期合祀されていた六角堂から住職が出張され、般若心経を唱えていただきます。昔から通う信者さんもいれば、ふとしたきっかけで通うようになった若者、いつもここの前を通るときには手を合わせるのが習慣になっている方など…、思い思いの形で信仰が引き継がれています。
不思議なパワーで多くのひとを魅了するお袖さん
平成23年にはNHK松山放送局が制作した『ドキュメント20min たぬきざんまい』でお袖さんが全国に向けて紹介されます。不思議な魅力を伝えるこの番組は多くの反響を呼び、各地から参拝者が訪れています。商売繁昌、病気平癒、良縁、安産祈願など、人々の様々な想いを受け止めてくれるお袖さんの魅力は、その不思議なパワーを体感できるところではないでしょうか?

お袖さんの周りで数々の事件が起きます。テレビで番組が放映された平成23年には、お袖さん像が盗難に合いました。新聞やテレビにも取り上げられ、大騒動に…。しかし驚くことに、お堀の中から新たな狸像がでてきたのです。
(詳しくはお袖さんが消えた!ページにて…)


お腹を壊した門番さん平成24年秋には、今まで入口付近にいた『門番さん』と呼ばれている狸像が新しい祠で祀られることになりました。きっかけは信者さんの中の一人の方の夢にこの『門番さん』が出てきたこと。夢の中で『門番さん』は、寒くてお腹を壊して震えているので何とかして欲しい…。と言われたそうです。この話を聞いていた、いつも『門番さん』の足やお腹を拭いてきれいに世話をしていた別の信者さんは驚きました。少し前から原因不明の腹痛に悩まされていたのです。でもそれが『門番さん』からのメッセージとは思いませんでした。

そこで『門番さん』を社務所にあげて、お腹が冷えないように前掛けを作り、お世話をすると、体調を崩されていた信者さんの具合はすぐに良くなったのです。このことから、この『門番さん』のために新しい祠を造り、お祀りすることになったのです。実はこの『門番さん』、元々安産祈願のためにとある家で飾られていましたが、役目を終えたのでここにやってきたとのこと。ちょっと不思議で、ユーモアのあるお話と思いませんか?


世話人である田中喜子さんは
『ここに居るお狸さんたちは、いつも来るときと帰るときに顔を覗くと表情が違う』
と言いわれます。お狸さんたちも何か想っているんでしょうか。

松山市のお堀のそばにある八股榎大明神、
この温かい空間で、あなたもお袖さんに会ってみませんか?

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